■Start line ＜replay＞:2
あんたっていつもこうなの？自分だけ気持ちを話してすっきり去りたいなんて、虫が良すぎるわよ。
はいはい、どうせ忘れるんだからって言うんでしょ。この私がそれを知って大人しくしてると思う？
万が一、実際に記憶を消去されるとしたって、今現在この瞬間の私の気持ちはどうなるのよ。
だいたい、こんなにはっきり気持ちを言ってもらって返事もしないなんて、
なんか気分悪いじゃない。
まぁ、大したこと言えないけど聞いてよ。
ギロロが私のこと、大切に思ってくれてるのはわかってた。
ピンチにはいつも助けてくれるしね。ボケガエルの仲間の中じゃ、誠実なやつだな、って思ってた。
それが……その、そういう気持ちがあったからだっていうのは、
今日の話を聞いて初めて知ったけど。
あんたって、色々うるさく言いながらも、ボケガエルや冬樹にだって優しいじゃない。
それと一緒だと思ってた。
だから、あんたのこと、そういう対象っていうか、つまり好きとか嫌いとか、
そういう目で見たことなかったから。
迷惑かって？そんなことないわよ。なんて言ったらいいのかな。
私これでも時々、男の子から好きだとか言われることあるんだけど……って、
そんな怖い顔しないでよ。
そういう人に告白されるのとは違って、なんか、ずっと温かい気持ちになった。
今まで、あんたのことをどう思うかなんて、改めて考えたことなかったんだ。
でも今の話を聞いて、色々思い出してみたの。
そうしたら、心の中に空いてたピースがはまったような気がして。
なんか納得したっていうか。
あんたと一緒にいると落ちついたり、ほっとしたりする意味が、わかった気がした。
この気持ちが好きってことなのか、今の私にはまだわからないわ。
だけど気づくきっかけをあんたがくれた今、この瞬間から私、
スタートラインに立った気がするの。
だから今すぐ、あんたの気持ちにはっきりとは答えられないけど、いつか、
近い将来に答えが出せると思う。
記憶が消えなければ、だけどね。
私、あんたのことがもっともっと知りたい。もっと色んな話しようよ。
それにはまず、今日の０時までにやることがあると思うんだけど……
あんた、私に協力する気、ある？