■Ration reration TypeG:2
足元にまとわりつくネコをたしなめながら、テントの外にタイプGを下ろした。
中に入れるのは埃を払ってからにしたかったのだ。
山と積まれたカップが転がって、一つがちょうどネコの足元で止まった。
「にゃ?」
ネコがそれを前脚で転がすと、蓋が破れて中身がこぼれ落ちた。
「こら、食い物で遊ぶなよ。……ん?」
よく見ると、ネコがいじっている物だけパッケージの色が違った。
蓋に描かれているのはGの文字ではなく、陰気な参謀のトレードマークのようだ。
その渦巻きが目に入ったとたん、ギロロは直感的に叫んだ。
「ネコ、それはダメだ!」
しかしネコは匂いをかいだ後、ギロロの制止も虚しくそれを口にする。
「吐き出せ!」
ギロロはネコに駆け寄り抱き上げたが、ネコは小首を傾げてこくんと喉を動かし、
レーションを飲み込んだ。
「大丈夫か、ネコ……」
「にゃあ!」
ネコはギロロに抱かれてご機嫌だ。ギロロはほっとしてネコを地面に下ろした。
「にゃっ」
ネコは不満そうな声を上げたが、眠くなったのかおおあくびをしてその場に丸まった。
「何ともないようだな」
ギロロはネコに背を向けてレーションを片付けにかかったが、
その体を覆うように大きな影が、背後で膨らんでいた。